ヒラタカメムシ科は、非常に平たい体型をもち、菌類を食べるカメムシの仲間です。
日本から60種弱が確認されていますが、実はまだ名前のわからない謎の種=「正体不明種」がかなりの数存在しているほか、いまだ発見されていない種が生息している可能性もあります。
そこで私は、分類学的研究によって日本にどんなヒラタカメムシがいるのか、その多様性を解明しようと考えています。
【行っている研究】
・ ヒメヒラタカメムシ亜科の分類
・ シモフリヒラタカメムシ亜科の分類
・ ヒラタカメムシ類の雄生殖器の形態観察
ヒラタカメムシの集団
小笠原諸島は東京23区の約1000 km南にある亜熱帯の島々です。この島は島の誕生以来一度もほかの陸地とつながったことのない海洋島で、それゆえに、固有種の生物が多数生息していること、生態系のもつ進化学的な価値が高いことが知られています。そのことから、「進化の実験場」と称されているほか、世界自然遺産にも登録されています。
しかし、小笠原におけるカメムシの研究はあまり進展しておらず、果たして何種のカメムシがいるのかが明らかになっていません。
侵略的な外来生物による生態系の破壊が問題となるなかで、カメムシ類の多様性と、その生息状況を一刻も早く明らかにすること目標に、研究を続けています。
【行っている研究】
・ 小笠原諸島産カメムシ類の記録種数の調査
・ 現地におけるカメムシの生息状況調査
小笠原諸島・父島から南島を望む
日本のカメムシ類の多様性の輪郭、つまり「日本に何種のカメムシがいるのか」については、分類学的研究の進展によりその大方が明らかにされつつあります。
ところが、「どこにどんなカメムシが分布しているのか」という情報の蓄積は十分とはいえません。
そのため、地域のカメムシ相、ひいては昆虫相の解明度向上のため、野外調査を継続しています。
活動の一環として、在住の神奈川県では、昆虫目録の執筆といった活動にも参加しています。
【行っている研究】
・ 神奈川県のカメムシ調査・種目録作成
・ 琉球列島のカメムシ調査
・ 対馬のカメムシ調査
神奈川県昆虫誌2018
(異翅亜目を分担執筆)
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